下版、そしていよいよ印刷へ。

さて、製版工程でつくられた原版が校了となると、いよいよ印刷スタートです。
しかしその前に、前回でもすこし触れたように「刷版」という印刷用のハンコがつくられます。これを「下版」と呼びます。

アナログ製版の場合には、原版をもとに刷版がつくられます。
デジタル製版の場合には、版下データから刷版がつくられます。

刷版の形態は、印刷の方式により異なります。
つまり、刷版をつくる時点では、すでにこの製品が「どの印刷方式で」つくるのかが決まっていなければなりません。

どの印刷方式でつくるのかは、

  • 製品の特性
  • 製品の形状
  • 印刷機械のスケジュール

上記のような要素をふまえて決められます。
具体的には……

  • 写真をふんだんに使用していて、美しさや精細が求められる印刷物なのか?
  • 大量部数、短納期で、早さがいちばんに求められている印刷物なのか?
  • 環境配慮が重要で、化学物質の排出を最小限に抑えた印刷方式を指定されているのか?
  • 特殊なサイズの仕上がりを求められていて、それに対応可能な加工機はどれなのか? その加工機を使うには、どの印刷機で印刷する必要があるのか?

こうしたことを考慮しながら、どの仕事をどの機械で作業するのか、割り振っていかねばなりません。
割り振りには、自社の機械をすべて熟知し、また様々な製品の特性を理解する必要があります。そのため、そうした知識を持つ、仕事の割り振りを専門に行う担当者が、それをおこないます。

自社の製品を持ち、同じ製品を大量に作り続けるような製造業では、工場のスケジュールは年単位でしょう。
しかし、印刷業はそうはいきません。今日つくるものと明日つくるものは、まったくちがうのです。もちろん、週刊誌・月刊誌などのていき刊行物はありますが、それは全体の一部にすぎません。
ですから、スケジュールを管理する仕事は、毎日毎日発生します。

今日はどこで何をつくるのか?

自分が考えた通りのスケジュールで、工場全体がうごいていくのです。
ちょっと面白いと思いませんか?


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