無関係に見えるものでも、実は印刷会社のテリトリーだったりするのは、何故か。

印刷会社は受注産業だから、頼まれればなんでもやっちゃうよ!
とはいうものの、実はまったく無関係の仕事ばかり受けているわけではありません。利益を創出することが使命である企業が、効率の悪い選択をするはずがないのです。

では、一見すると印刷会社の仕事ではなさそうなものでもやっている例があるのは何故なのでしょう?

あなたはいま、印刷会社の営業マンです。
自分の得意先として、A大学を担当しています。
受注品は、「学生証」です。

ここから広がる提案営業の可能性

  • この学生証を、身分証明だけでなく、別のサービスに活用しませんか?
  • 講義の出欠確認で利用するためのシステムを導入するのは?
  • 履修登録システムで利用するのは?
  • 図書館の入退出や貸し出し記録で利用するのは?
  • コピーカードとしての機能追加は?
  • 学食での決済可能な電子マネーの導入は?
  • 学生寮の入退出管理導入は?

というわけで、ひとつの受注品から様々な可能性が考えられるのです。

上記は実際に実現しているものも多いですし、私が想像で書いた部分もあります。
こうした周辺需要・関係需要を掘り起こして新たに受注することで、仕事を増やすことができるのです。

また、それだけではありません。周辺を抑えることにより、もともとの受注品を今後も自社に発注してもらえる可能性を高くすることができます。
学生証だけを毎年作っているだけでは、いつかもっと安く製造できる会社が現れて、その仕事を奪われてしまうかもしれません。しかしもし、学生証を使った別のサービスも提供していたら、別の会社に乗り換えられてしまうリスクが小さくなるのです。なぜなら、学生証だけを作ることのできる会社、周辺サービスだけを提供できる会社はたくさんありますが、そのどちらも提供できる会社は少ないからです。

このようにして、印刷会社はそれぞれに「つよみ」「独自性」を発揮しながら手がける製品を拡大しているケースが多いのです。



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